ミニッツ雑学
第1章 フロントサスペンション

1.フロントサス スプリングの動作
ミニッツレーサーのフロントサスペンションがどのような働きをしているか、考えてみたいと思います。
尚ミニッツF1は構造が違うため、別の機会に説明したいと思います。

実車の写真だとわかりにくいと思いますので、ここでは簡略化したイラストを使用して説明します。

これが今回の説明に用いるイラストです。
ミニッツを前から見たところです。
まず各部の名称を説明しておきます。

A=シャーシー  B=タイヤ、今回はアウト側の
タイヤとして説明します。
C=タイヤ、今回はイン側のタイヤとして説明します。

D=ナックルアーム フロントホイールが取り付いている部分ですね。
E=キングピン 記号で見えなくなってしまいましたが、Dのナックルアームを支えている軸です。
F=フロントサス スプリング  G=スタビライザー、緑色のバーの部分で実際には支点がシャーシーに
保持されているパーツです。

それではフロントサスペンションの役割を考えてみましょう。
フロントサスペンションの役割は大きく分けて下記の2点だと思います。

  1. 路面からのショックを吸収して、車体を安定させる
  2. コーナリング時、車体の姿勢を安定させる

もしサスペンションがなかったら自転車と同じような状態で、路面の凸凹をまともに拾い、真っ直ぐ走ることも
困難な状況になると思います。
これが上記1の役割です。
実際の自転車はタイヤに空気が入っており、一般的な自転車の走行速度で有れば、タイヤが有る程度
サスペンションの代わりを果たします。

今回は直進時の働きよりもコーナリング時の働きにスポットを当ててみたいと思います。

ではイラストによりコーナリング時のサスペンション動作を見ていきましょう。

これは直進時の状態です。
今から左コーナーへ侵入していきます。
前から見ている状態なので、皆さんの向かって左が
右タイヤで、コーナーのアウト側になります。

ハンドルを切るコーナーに進入します。
ドライバーはここでハンドルを切っていきます。

ここでミニッツはコーナーを曲がろうと旋回運動をするため
遠心力により横向きの重力=「横G」を受けます。

横Gを受けたミニッツのアウト側のサスペンションが
もし沈まなかったとしたら、このような状態になります。

※説明がわかりやすいように、かなり極端に傾けております
※アウト側のタイヤはしっかりとグリップしていると仮定しております。

このイラストのような状態になるとアウト側のタイヤのみで接地していることになります。
これでは満足なグリップは得られませんね。

フロントサススプリングに硬いタイプを使用したときに、このような状態になると思われます。
フロントスプリングを硬くするとフロントタイヤのグリップがおちる訳ですね。
ここまで傾くと、リアタイヤのグリップにも影響がでます。(実際にここまで傾くと、まともに走れませんが)
フロントサススプリングを変更するということは、少なからずリアタイヤのグリップへも影響があるということですね。

ではここでフロントサススプリングを動作させてみます。
サス動作後横Gにより、車体をアウト側へひっくり返そうとする力を
フロントサススプリングが縮むことにより緩和します。

シャーシーはスプリングが縮んだ分、下へ降りるので
結果的にイン側のタイヤも接地することが出来ました。
両方のタイヤが接地していればグリップを効率よく
使うことが出来ますね。

まとめ:
フロントサススプリングの硬度により、フロントタイヤのグリップを調節できる。
フロントサススプリングを調節するとリアタイヤのグリップにも影響がでる。

フロントサスの動作にはもう一つ大事な物があります。
それはスタビライザーです。
次項はスタビライザーの働きを説明します。


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